出張先の温泉地での〜んびりして、
「すっかり心と体のアカを落としてきました〜♪」
なあんて気楽なこと言ってたら、うっかり水虫を拾ってきちゃうことがあります。
「こんなにカユくちゃあ集中して車の運転もできやしないよぉ〜(涙)」
と、足の裏を見てみると、
「なんだコレは? 水虫じゃないけど皮がむけてる!!」
となれば、多分・・ いや、確実に水虫ですな。
水虫といっても、虫ではないので、感染経路は限られます。
水虫の人が使った 「足拭きマット」 や 「スリッパ」 に密着したことないですか?
水虫菌が皮膚に付着してから約12時間で感染する(24時間説もあり)そうですから、温泉などで部屋に戻ったら、
まず足を洗いましょう!!!
ってやりませんよね。。。
家族の方が水虫だったりしたら大変です。
常に危険と隣り合わせ。 家の床は水虫菌でイッパイです。
畳の上でも自分専用のスリッパを履いていないと安心できません。
そして、家を飛び出して連絡がとれなくなる若者が増えている原因のbPはもちろんコレです!! ←ウソ
ちなみに、私(山本)は水虫になったことはないです。
↑こう言った人は、水虫じゃないか? と、疑われてしまうので言わない方が良いようです。
それでなくても薬屋のおっちゃんは水虫であることを期待されているような・・・
水虫は梅雨に出てくるもの、と以前は思われていましたが、
今では年がら年中です。←勿論梅雨の時期が一番多いですけど。
増えたな〜 と思うのは雪がよく降る冬。
ブーツや長靴などで足元は湿度100%!!
休んでいた水虫がたたき起こされるのです。
水虫とは? |
水虫とは白癬菌(はくせんきん)のこと。
カビの一種で、出る場所によって呼ばれ方が変わります。
頭部 = しらくも、
手 = 手白癬や手の水虫、
股間 = いんきんたむし、
足 = 水虫、
爪 = 爪水虫、
あと、他の場所で円い形で出てくるのは 「ぜにたむし」 です。
上にも書いたように、白癬菌(水虫菌)は皮膚に付着してから感染が始まります。
白癬菌が感染してから増殖を始めると、皮膚は白癬菌を追い出し、除去しようとして、炎症反応を起こします。
そうすると、急性期には赤くなって水ぶくれができ、強いカユミを生じたり、皮がむけるなどの症状が表面化します。
これを放っておくと慢性化して踵(かかと)の皮膚が厚くなってひび割れを起こすケースが多く、こうなるとカユミや水ぶくれなどはなくなります。
水虫のタイプは、
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小水疱(しょうすいほう)型・・・小さな水ぶくれができて、強いカユミを伴います。
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趾間(しかん)型・・・指と指の間(趾間)の皮がむけたり、皮膚が白くふやけたりします。
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角質増殖型・・・かかとの皮膚が厚くなり、ひび割れを起こします。
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(2)と(3)の合併型もよくあります。
このようになります。
さらに放っておくと、感染が足全体に広がるだけでなく、爪白癬や細菌の二次感染を起こすこともあります。
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一般的な水虫の予防と改善法 |
まず、毎日入浴することです。 入浴時は、足の裏、足の指の間までキレイに!!
入浴後、足の裏の拭き取りは入念に行います。 普段から蒸れにくい(通気性の良い)靴を選ぶことも重要です。
できれば1日おきに靴を履き替えた方がベター(2足用意!!)
水虫になってしまったら、床や畳をこまめに清掃。バスマットは自分専用の物を用意し、洗濯をキチンとします。
水虫になってしまったら、勝手に治ることはありません。 他の人にうつさないためにも、早めに水虫薬で治療します。
また、症状がなくなっても、しばらくは薬での治療を続けることが重要です。(水虫薬の世代によって目安となる期間が変わってきます。)
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こんな仕事をしていると女性が水虫であっても別に何も思わない
のですが、本人にしてみれば恥ずかしいのでしょう。
息子が・・・
主人が・・・
おばあちゃんが・・・
と、おっしゃる女性は多いです。
しかし、単に 「水虫にはコレ!!」 というわけではなく、症状に合わせ
て選んだ方が確実で早く治ります。
で、聞かなきゃいいのに、
「どんな症状ですか?」 とワタシ。
それに対して、
「右足の小指と薬指の間が結構グチュグチュで、カユイというよりは痛くて、去年はそれほどでも・・・ あ、私じゃないですよ!! むっ、息子のです、ホントに!!」
と不自然な回答。 ・・・・・詳しすぎやしませんか?
・・まあ、症状さえ分かれば誰だって一緒ですけど、たま〜に水虫だと思っていたら違う皮膚炎で、いくら水虫薬をぬっても良くならないという場合もあるので、やっぱり詳しく聞いておきたいところです。
また、傷口が深くなりすぎて化膿してしまっている場合などは、抗生物質を数日塗って傷口をなんとかしないことには、いくら水虫薬を塗っても効果が出ない場合もあります。
特に、奈美悦子さんのように掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)だったりすると、勘違いしやすくなります。
足の裏にポツポツが出てきてカユミがあるところまでは水虫と同じなのですが、それが出たり消えたりを繰り返す場合、掌蹠膿疱症の可能性が高いと言えます。
通常、掌蹠膿疱症にはステロイドを塗ります。
しかし、水虫にステロイドを塗ると逆に悪化してしまいますから注意が必要です。
一方、掌蹠膿疱症に水虫薬を塗っても、ちょっとカユミ止めが効くくらいで、治るわけはありません。
さて、
「自分ではどちらか分からない」
+
「店の人に聞くのもイヤ!!」
という場合は水虫薬とステロイド、どちらを選びますか?
随分前に製薬メーカーの方から聞いた話では、
「水虫薬を使うと害はないけれど、合っているかどうか判断できないから長引く可能性がある。 だから、ステロイドを使うべき。
違っていたら悪化するからすぐに切り替えれば良い。」
とのこと。
別にどちらでも良いのでは?
それって水虫?
水虫だと思っていたら別の皮膚病だった・・・ その確率は?
皮膚科医が調べているのでしょうか? よくあることと言う方も。
私の経験では、「水虫だと思ったら水虫だった」 が大多数。
ま、大人の場合は他の皮膚病にかかりにくいということがあるので、
1・子供の足が!! ⇒ 心配 ⇒ 病院へ
2・大人の足が!! ⇒ 面倒 ⇒ 薬局へ
という流れがあるとするなら、病院と薬屋での水虫正解率が違ってきてもおかしくありませんね。 それとも地域差があるのでしょうか。
よく考えたら、「これは水虫か?」 と見せられ、しかも、「絶対かね? ん? ん?」
などと念を押されたりすると、目視で絶対とは言えないから病院へ行ってもらったことも。 こういうことで差が出ているのかもしれません。
お話をするだけで分かる例としては、
1・手の皮がむける場合、まず指の付根から広がっているかどうかで判断します。足同様、湿度の高い場所を好む水虫菌は指の付根が大好きです。次に、足は水虫かどうかです。手だけ単独で水虫になることはあまりないため、参考になります。
2・次の段でも出てきますが、睾丸がカユイ場合は水虫ではないです。
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2006/3/15 福井(地元)新聞より
ご家庭で簡単に水虫かどうかの判定ができるキットを福井大学助教授、東洋紡ら研究グループが開発したとのこと。
爪や皮膚を入れた検査液に今回開発した試験紙を浸すと5分後には判定できるという優れものです。病院へ行かなくても水虫かどうかが確定できることは画期的だと思います。
商品化はまだです。
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次に、男性でも恥ずかしい場合があります。
股がカユイーッッ!! いっ、一刻も早く・・・ クッッ(激汗)
しかし、
ゲッ、カウンターには女の子しかいないっ!! ←本来お薬はカウンターの中にあるべき
って時です。 困りますよね。
しかし、この場合も本当は詳しく話してほしいのです。
↑
カウンターの女の子もそう思っているかは不明
股がカユイといっても、コレもまた水虫(いんきんたむし)でない場合もあります。
「睾丸(コウガン)」 は水虫菌には攻撃されないのです。
別に睾丸が強いわけではなく、水虫菌は角質の深い所に入って
いきますので、皮膚が薄い睾丸に繁殖することはないのです。
何か違う菌の可能性がありますので、病院で見てもらうか、
かなり弱いステロイドを塗って様子を見てみると良いと思います。
また、そんな時に、”カユミ止めでイイヤ” と、
「良く効くカユミ止めくれ〜い」
とか言って、やたら清涼感が強いカユミ止めを渡されて、後日 、
「塗った途端に痛すぎて飛び上がったぞ!!すぐに風呂に飛び込んだんや(怒」
と、文句を言ってこられた方も。
・・・なんで売った女の子じゃなくて私に文句を(涙)
ともかく、水虫とは女性なら女性、男性なら男性にしか
打ち明けにくい病気と言えるのでは?
そんな水虫薬も、使い方ひとつで良く効いたり効かなかったり。
また、数年前から病院でしか処方されなかった水虫薬(第3世代と呼ばれる)が薬局でも扱えるようになりました。
※第3世代水虫薬は現在、指定医薬品です。
指定医薬品 = 薬理作用、品質などの面から取り扱いに高度な薬学的な知識を必要とすると考えられ、薬剤師以外が扱うと保険衛生上の危害を生じる恐れがある医薬品で、厚生労働大臣により指定されている医薬品(⇒現在は指定医薬品から除外されていますので、薬店[←薬局とは違います]でも購入することが出来ますよ。)
これまでの水虫薬に比べると、水虫菌には良く効くけれど、カユミ止めなどの混合が認められていないために即効性というか、すぐに楽になるということはありません。
(第3世代特徴: 1日1回のお手軽 + 効きが良い → 大概治る)
(第3世代成分比較: 早く治る → 薬屋さんに用事がなくなる & 水虫だったことは一刻も早く忘れよう!!
→ お店に効果の声が集まりにくい → 中でもどの製品が良いのか分からない → 何でも良いのかも(爆) ⇒ ジュクジュク型には塩酸ネチコナゾール(エスエス製薬アトラントエース)が良い、とか、水虫菌の分裂過程のうち、2箇所を攻撃(普通は1箇所)する塩酸アモロルフィン(大正製薬ダマリンエース
等)が効果的、などメーカー側からの発信情報があっても、実際には
「コレが良い」 と差別化するほどの差を確認することができませんでした。←大量に販売した結果;;)
良く効き、早く治って欲しいなら従来型と最新型のミックスでも。
水虫菌に対する作用部位が違うため更なる相乗効果も期待できます。
また、液体タイプは浸透性に優れていそうで人気はあるのですが、
実際にはクリームタイプの方が浸透は良く、効きが良いハズ。
※これまでの水虫薬を使った場合、割と早くに皮膚が正常に戻ったように見えても、完治するまでには、長い方ですと半年くらいはかかっています。
しかし、実際に半年も使い続ける方は多くないため、結局は毎年のように水虫で悩むことになるのです。
一方、第3世代と呼ばれる水虫薬ですと、1〜2ヶ月の使用で完治される場合が多いようですので、時間的な問題からも、完治が期待できる商品と言ってよいでしょう。
急速に進化する水虫薬
本年[2008年2月]より、第3世代の抗真菌薬にかゆみ止め成分などを配合した水虫薬が市販されました。
これで全て解決! といったところでしょうか。
ここ数年の市販水虫薬は、進化するスピードが著しく早いです。他のお薬では殆ど考えられない状況に驚いています。
▲上の記事は古くなっちゃいましたが、こんな時期もあったということで保存しておきますー
一方で、爪水虫になってしまうと治すのは難しくなります。
病院では体の内側から水虫菌を倒すために服用するタイプの水虫薬も処方され、爪水虫にも効果があるのですが、実際には肝機能が弱いために処方してもらえないケースも多いようです。
そこで、朗報です!!
これまで市販の水虫薬では、「爪水虫にはほとんど効かない」、または、「爪水虫に効く薬はない」 というのが定説だったけれども、ちょっとやり方を工夫すると、改善率が一気にアップします。
それは、お風呂上りにヤスリで爪の表面を少し削り、爪と爪周辺(広め)にサトウ製薬の「ラマストンプラスL(クリームタイプが良い)」を塗って、更に指をラップか包帯で密封するというもの。
朝のお出かけ前には、さすがにクリームを塗るだけで良いです。
ちょっとめんどうです。
しかも足の爪全体の入れ替わりを待たなければならないため、半年かそれ以上の長丁場になります。
しかし、これまで不可能とされていたものが、解決する可能性があるのです。
改善率は50%ほど。
これが高いか低いかということは一概には言えません。
最後にはボロボロになった爪がポロッととれるようです。
「ラマストンプラスL」 は従来型であるため、最新型の方が更に効きそうな気がしますが、そういったデータがないためになんとも言えません。
試してみて半年後に 「ダメだったか・・・」 では空しすぎます。
※サトウ製薬のラマストンプラスL以外では爪水虫に対する臨床データがないため、他の製品の場合はどうなるのかは分かっていません。←ピリドン系の抗真菌剤、シクロピロクスオラミンを使用しております。
※手の爪水虫についても同様です。手の爪は入れ替わりが足より早いため、3〜4ヶ月で効果が出る場合も。
(オマケ情報)
足のにおいは細菌が汗を分解する時に発生する悪臭です。
一般的に、足のにおいがキツイ方は水虫である可能性が高いと言われています。
「ラマストンプラスL」 には、この細菌を倒す働きもあります。 一石二鳥!!
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最後に、水虫薬の塗る範囲ですが、指の間でも足の裏でも、ぜにたむしでも、気になる所より広めに塗ってください。
水虫菌は角質の深い部分に寄生しており、症状が現れている場所よりも外側に既に繁殖しています。
その繁殖を食い止めるためには少し広めに薬を塗ることが必要になるのです。
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