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迷言Vol6(民間は潰れる)
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見せ掛けの、儚く脆い幸せを追求する。 それではキリが無いと分かっているのかどうなのか、大先生でも本音は自分中心? Vol.6 民間は潰れる 以前勤めていた職場は公的機関。大学です。 異常な仕事量に忙殺され、世間で過労タヒが問題になりだした頃には、報道されていた被害者を大きく上回る残業(ほとんどサービス・・・)に、プライベートな計画など立てるわけにいかない状態もしばしば。 しかし、オーバーワークが報われるならば・・・ そのうち、ある思いが過ぎる。 さて、今現在は当時と違って、組織自体がガラリと様変わりしているので、私の知っている状況は過去のものだ。 先輩、後輩は昔話だと思って気を悪くしないで欲しい。今は違うと信じている。(知らないけど) 私が思ったのは 「この組織、無くてもいいんじゃない?」 ということだ。 そんなことを言うと元も子もないのだが、何のために頑張っているのか、分からなくなってきていた。 また、学内には派閥というものがあった。 そんなものは意味が無いどころか無い方が良いと考えて、何処にも属さなかったせいなのだろうか、給与面での待遇はすこぶる悪く、しかし、へたにVol5の実績があるばかりに、人事異動の時期が近づく度に、何かしら逼迫した懸案を抱えた いくつかの部署からラブコールがかかるというパラドックス。 「功には禄を、能には職を」に倣ってか、なんちゃらほにゃらけ専門チームを作ってチームリーダーに私を据える予定だったらしいが、本来負うはずの無い責任が付いてくるだけで、それでなくても関係の無い部署のおえらさんから直接質問や依頼の電話が頻繁にかかってきたりと、周囲が楽になるのと反比例するようにこちらは加速度的にやらなければならないことが増えていく状態なので、いつかはパンクするような気がしていた。 このままいけばノイローゼになって、元の精神状態に戻れなくなってしまうかもしれないと考えた。 今考えると、既に結構なノイローゼ状態だったし、辞めるには丁度良かったのだろうと思う。 後日、先輩数名から「馬鹿」というお言葉を頂戴したが、辞めなければ本当に馬鹿になっていたと思う。 まぁ、そうは言っても、 「何か今と全然違う環境で仕事をやってみたい」 という思いがあって、それが仕事を辞めた一番の理由だったりするので、当時の環境などは関係無いのですが。 そんなこんなで退職前日、挨拶回りで、以前に仕事上深く関わった部署へ出向くと、全員が声を揃えて 「いままで有難うございました!」 と、びっくりするぐらい大声で言うではないか。 もう一人、別の機関に異動となったベテランさんと一緒に回っていたのだが、そちらは無言のお辞儀だけで済ました直後だっただけに、嬉しかったけれど変な空気に。 それまで和やかだった移動中の会話は完全に途切れる。この先もまだまだ一緒に回らなきゃならないんですけど・・・ また、別の部署では、以前上司だった方が気を利かせて学生部長を引っ張ってきた。 労いの言葉でも引き出そうというのか、その気持ちが嬉しかった。 学生部長は教授職で、世話役ともいえる事務職の異動などに興味など示すわけがないのだが、元上司に引っ張り出され、何か言わなければならない状況に置かれている。 長年教授という職についている方だ。気の利いたお言葉でも掛けて下さるのかと思いきや なんで辞めちゃうの? 民間は大変だよ 民間は潰れるよ いや、潰れると決まったわけじゃないけど何処へ行っても厳しいよ 今の時期にここを辞めちゃうなんて信じられないな〜 公務員が一番だよ といった、教職に携わる者が口にするのは適切と言えない「禁句」を並べだした。 しかも、彼は学生の就職に関して重要な役割を担っている学生部長という役職だというのに、だ。 元上司も私も苦笑いするしかない。一体、普段学生に何を教えているのやら・・・(汗 まぁ、明日になればただのおっさんの戯言だ。 しかし、長年お世話になった職場を離れ、新しい境地へと向かおうとする私にとって、この偉大な反面教師のお言葉は、辞めたことを後悔させないための、この上なく思慮深いお言葉だったのかもしれない。 と、数年後に気付く。世の中は優しさに溢れている。 ▲事務局長に退職願を提出した際も同様のお言葉を頂戴した。もちろん、この方も思慮深い。これに勝る「送る言葉」など無いのかもしれない。 |
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