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小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤
(小児鎮静薬)
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小児では、特段身体的な問題が無く、基本的な欲求が満たされていても、夜泣き、ひきつけ、疳の虫などの症状が現れることがあり、他者との関わりなどへの不安や興奮から生じる情緒不安定・神経過敏が要因の一つと言われ、また、睡眠のリズムが形成されるまでの発達の一過程とも考えられています。
授乳後にゲップがでなかったり、泣く際に空気を飲み込んでしまうなどして消化管に過剰な空気が入ることと関連付けられることもあります。
乳児は食道と胃を隔てている括約筋が未発達で、胃の内容物をしっかりと保っておくことができず、胃食道逆流に起因するむずがり、夜泣き、乳吐きなどをおこすことがあります。
小児鎮静薬は、それらの症状を鎮めるほか、小児における虚弱体質、消化不良などの改善を目的とする生薬製剤、漢方処方製剤からなる医薬品です。
これらは症状の原因となる体質の改善を主眼としている物が多く、比較的長期間(1ヶ月程度)継続して使用されることがあります。
なお、身体的な問題がなく生じる夜泣き、ひきつけ、疳の虫などの症状については、成長に伴って自然に治まるのが通常であるため、保護者が「発達段階の一時的な症状」と理解することも重要であり、単に保護者の安眠を確保するために小児鎮静薬を使用することは適当とは言えません。
小児の疳は、痩せて血が少ないことから生じると考えられており、鎮静作用のほか、血液の循環を促す作用があるとされる生薬成分を中心に配合されています。
中には、鎮静と中枢刺激のように相反する作用を期待する生薬成分が配合されている場合がありますが、身体の状態によってそれらに対する反応が異なり、総じて効果がもたらされると考えられています。
小児鎮静薬はどれも伝統的に古くから用いられている物でありますが、漢方であるがゆえ、「作用が穏やかで副作用が無い」と誤解されている場合も多いとのことですので、そのように考えて安易に使用するのではなく、適切な医薬品を選択するひつようがあります。
生薬
緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用を期待して用いられる生薬
緊張や興奮を鎮める作用を期待して用いられる生薬
鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して用いられる生薬
その他
動物胆(ユウタンなど)、チョウジ、サフラン、ニンジン、カンゾウなど
漢方処方製剤
※用法用量において、適用年齢の下限が設けられていない場合においても、生後3ヶ月未満の乳児には漢方処方製剤を使用しないこととなっています。