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血液は大きく分けると血漿と血球からできています。
その働きは、酸素や栄養分を全身の組織・細胞に運搬して、代わりに二酸化炭素や排泄物などを受け取り、排泄器官(肺も含みます)へ運搬します。
また、ホルモンを運搬することによって各器官や組織が相互の連絡を図るようにする役割もあります。
血液は全身を循環するため、体内で発生した熱が全身に分配されることとなり、おおよそ均等な温度(体温)を維持することができます。
血漿
血漿は90%以上が水分で、アルブミンやグロブリン、微量の脂質、糖質、電解質などを含みます。
アルブミンは血液の浸透圧を保持して、血漿成分が血管から組織へ移行するのを防ぐ働きがある他、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、血液の循環に伴い代謝や排泄が簡単に行われないようにする働きがあります。
グロブリンの多くは、細菌やウイルスなど体内に侵入してきた異物を認識する抗体(免疫反応) として働き、それらは免疫グロブリンとも呼ばれます。
中性脂肪やコレステロールなどの脂質は、血漿中のたんぱく質と結合してリポ蛋白質となります。
血球
(赤血球)
赤血球は血液全体の約4割を占め、「血=赤」と言わせる物質「ヘモグロビン」を含みます。
中央がくぼんだ円盤状、元気な赤血球は変形能が高いとのこと。
ヘモグロビンは鉄分と結合したたんぱく質で、酸素が多い場所(肺胞の毛細血管)では酸素分子と結合し、二酸化炭素の多い場所(末梢の毛細血管)では酸素分子を放出します。(二酸化炭素はヘモグロビンとは殆ど結合せず、血漿に溶け込み肺へ運ばれます)
赤血球は骨髄で作られます。
ビタミン不足により赤血球の産生能が落ちるとビタミン欠乏性貧血、月経過多、消化管出血などにより血液の損失が多くなると鉄分が不足して鉄欠乏性貧血がおこります。
(白血球)
細菌やウイルスなど異物に対する防御を担当しています。
・好中球: 白血球の約6割を占め、感染した組織に集まって細菌やウイルスを取り込み分解します。
・リンパ球: 白血球の約3分の1。血液の他、リンパ液中にも分布し、リンパ節や脾臓で増殖します。T細胞リンパ球が細菌やウイルス等の異物の認識し、B細胞リンパ球が抗体(免疫グロブリン)を産生します。
・単球(マクロファージ): 白血球の約5%だが最も大きい。異物を取り込む力が強く貪食細胞とも呼ばれます。
・そのほかにもアレルギーに関連する白血球もあります。
上記それぞれが協働して免疫機能が働き、感染・炎症時には役割に応じて数が増加します。
(血小板)
出血や内出血時の血液の流出を抑える働きがあります。
血管が損傷すると血管壁が収縮して血流を減少させます。それと同時に損傷箇所に血小板が集まり傷を覆います。血小板が放出する酵素により、血漿蛋白質であるフィブリノゲンが重合して繊維状のフィブリンとなり、その繊維に赤血球や血小板などが絡まりあって凝固物ができあがり傷口を防ぎます。
近年は、傷が出来た時の滲出液(体液)が傷を治す成分となることに着目して、滲出液を保持して自然治癒力を高める絆創膏が市販されています。(キズパワーパッド ⇒ 小児の使用は保護者の監督の元で。2歳以下不可。糖尿病や血行障害の治療を受けている方は医師に相談すること。)