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健康情報 ⇒ 副作用U ⇒ 体の仕組みや働き ⇒ 肝臓・胆嚢
肝臓は体内で最も大きな臓器で、横隔膜の下にあります。
肝臓は人が生命活動を行う上で非常に重要な役割をいくつも担っています。
体内に入った物質は、その役目が終わったり、それが身体に有害であったりした場合には、体の外へ排出される必要があります。
殆どの物質(医薬品も含めて)は、肝細胞の酵素によって代謝され無毒化、または排出されやすい形となります。物質によっては肝臓における代謝によって体に悪い影響を与える物質になるものも存在します。
また、アルコールによる二日酔いは、アルコールが代謝された状態のアセトアルデヒドの毒性によるものと考えられています。通常アセトアルデヒドは更に代謝されて酢酸に変化しますが、この代謝に時間がかかる方ほど二日酔いになりやすい(又は酔いやすい)ことになります。
アミノ酸が分解された時に生成されるアンモニアは肝臓で尿素に代謝されます。
小腸で吸収されたブドウ糖は肝臓に運ばれた後、グリコーゲンに変化させて蓄えられます。
血糖値の状態により必要な量だけブドウ糖に分解(戻して)血液に送られます。
また、体内の脂肪分もエネルギーが必要な場合には一旦肝臓へ送られ、利用可能な形に代謝してから血液に送られます。
肝臓はビタミンを貯蔵する役割も担っており、ビタミンAなど脂溶性ビタミンの他、ビタミンB6など水溶性ビタミンも蓄えられます。
必須アミノ酸(体内では生成されないが必要なアミノ酸)は聞いたことがあるかもしれませんが、そうでないアミノ酸は肝臓で作られます。
他にも、コレステロール、フィブリノゲン、アルブミン等、生命維持に欠かせない物質も作られています。
胆汁酸も肝臓で作られます。
胆嚢
胆嚢は肝臓で作られた胆汁を濃縮しておく器官であり、食べ物が胃から十二指腸へ送られてくると収縮して腸管内へ胆汁を供給します。
胆汁に含まれる胆汁塩酸は脂質の消化を助けると共に脂溶性ビタミンの吸収にも必要になります。
胆汁塩酸の大部分は小腸で吸収されて再び肝臓へと戻ってゆきます。
胆汁にはビリルビンと呼ばれるヘモグロビン(酸素を体全体に運ぶために必要な赤血球中の物質)が肝臓で分解された物質が含まれ、これが腸内細菌によって代謝されると茶褐色の色素となります。糞便の色はこの色です。
なお、黄疸とは、このビリルビンが肝機能障害などによって血液中に留まってしまうことによって皮膚や白目の部分が黄色くなる現象です。(逆に便には色素が含まれず白色便となります)
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、自覚症状が現れてからでは病気の進行が深刻な状況となってしまう場合が多く、健康診断などで定期的に状況を把握することが重要です。
なお、肝細胞は細胞分裂が激しいため、食事などで摂取するアミノ酸の質によって健康状況が早々に変化しやすい可能性があります。