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健康情報 ⇒ 添付文書の読み方
薬屋さんで売っている医薬品には添付文書(使用上の注意)が付いています。
まず、これを読んでから・・・ っていう重要な文書なのですが、何故かお店の玄関先に捨てられていたり・・・
とにかく、医薬品を買ったら目を通して頂きたいのですが、読まれた方からすると、
「読んでも何が言いたいのか良く分からない」、と・・・
それじゃあ意味がないので、ここで添付文書の読み方を解説!!!←私なりに
医薬品とは、一般的に見ますと「薬」本体だけをもって医薬品と呼ぶのではなく、その医薬品を使用するに当たって必要となる情報なども含めた形で初めて医薬品と呼ぶことができると考えられます。 情報の抜け落ちた「薬」は「毒」に等しい可能性もあるため、添付文書をしっかり読むことだけに留まらず、購入時に既往歴の伝達、現在使用中の他の医薬品の伝達、その他分からない事などを販売店から説明を受けることなどは、「薬」を「有効な医薬品」として安全に使用するための第一歩です。 |
幸い、私は以前、「薬マニアか?」 というくらいに様々な薬を試し、その添付文書の一部がまだ保管されていました。 添付文書集よりも、こちらの方が多くのメーカーの添付文書に目を通せる!!
で、我が家にある 「添付文書」 をパラパラとめくってみると、メーカーによってはカラーの、まるでチラシのような物もあれば、一色の物も。
ファイザー製薬のものがひときわみすぼらしく見えたのは意外・・・
↑ 薬の効果と全く関係ないのでどうでもいいのですが
次に気付いたのは、やたらと 「風邪薬」 の添付文書が多いということ。
これは添付文書の特徴ではなく、以前はよく風邪を引いたということ。
↑ これもどうでもいい
まず、ほとんどの添付文書は最上段に
「服用前にこの説明書を必ずお読みください。また、必要な時に読めるよう保管してください。」
または、これに類似した文章が書いてあります。
手元の添付文書でこれが書いてなかったのは1社だけ。
(書かなきゃダメなのですが・・・ 昔のかな?)
読まれない方は先頭に配置されたこの文章も読んでいないということですが・・・
「効能・効果」 は重要。 外箱にも書いてあるため、お店で確認を!
「用法・用量」 は安全性と効果を発揮するためには重要。
食前や食間など、服用時期を守らないと効果が弱くなったり、逆に強くなったり、また、副作用が出やすくなったりするため、必ず守らなければなりません。
ちなみに、食間とは食後2〜3時間を指します。
用量については、これだけ服用すれば充分というだけではなく、それ以上の服用は思わぬ副作用が起こることも考えられます。
「成分・分量」 の欄については、成分と分量の他に 「その働き」が記載されているものが多数あり。
また、ここにはアレルギーを起こす可能性がある着色料などの添加物も記載されているため、アレルギーを起こしたことのある方は要注意。
そして、「使用上の注意」 。 ここが重要です。
まず、「使用上の注意」 の中でも、「してはいけないこと」 ですが、これは書いてある物とない物があります。
ここに書いてあることを守らないと現在の症状が悪化したり、副作用や事故が起こりやすくなるので、絶対に読んでいただきたいところです。
薬によって内容は変わるのですが、代表的なものをいくつか挙げておきます。
次の人は服用しないこと
本剤による過敏症状(発疹・発赤、かゆみ、浮腫等)をおこしたことがある人
(解説)「イブプロフェン」、「アスピリン」、「イソプロピルアンチピリン」、「アセトアミノフェン」など、解熱鎮痛成分含有の製剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、浮腫などの過敏症状が現れた例があることから、これらが含まれている製剤にはこの注意書きをし、服用しないようにしています。
本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を服用してぜんそくを起こしたことがある人
(解説)「イブプロフェン」や「アセトアミノフェン」、「アスピリン」など非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)は抹消におけるプロスタグランジンの合成阻害作用によって消炎鎮痛作用を示すのですが、この働きによってロイコトリエンが過剰になって気管支収縮を引き起こす恐れがあります。 ですから、アスピリン喘息を起こしたことのある人にはNSAIDsを用いることにより同様のことが起こる可能性があり、服用を避けるべきです。
本剤又は鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことがある人
(解説)鼻の炎症や痰をやわらかくするために 「塩化リゾチーム」 が含まれている製剤にはこの注意書きが付きます。 塩化リゾチームは鶏卵から作られているため、鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことのある人に注意を喚起しています。
7歳未満の小児
(解説)一部の目薬では、眼球の形態・機能が発達をとげない7歳未満の小児には適用外の物があります。
妊娠または妊娠していると思われる人、授乳中の人
(解説)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には使うことのできない製剤があります。 ただし、同じ薬であっても、病院において医師が有効性と安全性を考慮の上で処方される場合もあります。
本剤を服用している間は、次のいずれの医薬品も服用しないこと
他のかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬(鼻炎用内服薬、乗物酔い薬、アレルギー用薬)
(解説)風邪薬や咳止め、鼻炎薬などは、成分が重複する可能性が高いと言えます。 併用によって重複した成分が過量となって副作用が強く現れたり、中毒が起こることも考えられますので、併用を避けるように注意を喚起しています。
服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと
(眠気があらわれることがある)
(解説)マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤は眠気を催すことがあります。 このため、服用後の自動車などの乗物の運転や危険を伴う機械類の操作をしないように注意を喚起しています。
服用時は飲酒しないこと
(解説)薬を服用時に飲酒をしないこと、とは、基本的な注意事項です。 特に、抗ヒスタミン剤などの中枢神経抑制作用があるものなどは、お酒との併用でその作用が増強され、眠気や注意力の低下などがあらわれることが考えられます。
5日を超えて服用しないこと、長期連用しないこと
(解説)長期連用をすると思わぬ副作用を招く場合がある場合と、風邪薬に書かれています。 通常の風邪ですと一般的に1週間くらいで治ると言われていることから、それ以上たっても治らない場合は、他の病気にかかっている可能性も考えられます。症状が長引く場合には、市販薬での範囲を超えていると判断し、医療機関での受診を行ってください。
ほかにも、塗り薬であれば 「目の周りや粘膜に使用しないこと」 や、鼻炎薬に使われる塩酸プソイドエフェドリンなどの交感神経興奮作用が強い物であれば、 その作用によって甲状腺機能障害の症状が悪化したり、グリコーゲンの分解が促進されて血糖値が上昇したり、血管収縮や心臓刺激により血圧上昇、心悸亢進、頻脈が起こる可能性があることから、「高血圧、心臓病、甲状腺機能障害 、糖尿病」 の方の使用を禁止しています。また、フェニルケトン尿症の方には甘味料として使われているアステルパームの利用の有無も注意が必要です。
次に、「相談すること」 を見ていきます。
通常、薬の外箱には 「してはいけないこと」 は書いてあるのですが、「相談すること」 については書いてありません。
ですから、「添付文書」 を読むまでは、この情報はお店の人に聞かないと分からないことになりますので、重要な部分と言えます。
以下に一般的な風邪薬に書いてある 「相談すること」 を解説します。
鼻炎薬や咳止め、解熱鎮痛薬など、共通の項目が多いので有効かと思います。
次の人は服用前に医師または薬剤師に相談すること
医師または歯科医師の治療を受けている人
(解説)医師の治療を受けている場合には、風邪と思われる症状が医師による治療対象の疾病によるものである場合や、投与中の薬剤による副作用である場合も考えられます。 高血圧の治療に用いられるACE阻害剤による空咳など、副作用が風邪と良く似た症状である場合もあり注意が必要です。 また、他にもその薬が医師から治療を受けている疾病に影響を及ぼす可能性や、医師から処方されている薬との重複や相互作用の可能性を考慮する必要があります。
妊娠または妊娠していると思われる人
(解説)妊娠や妊娠していると思われる婦人は、胎児への影響を考え、専門医の指示を受ける必要があります。 「この薬の中には悪い影響を与える可能性がある成分が含まれている」 と読み替えた方が良いように思います。(子供用の風邪薬にも記載あり。 心配性? ←記載するように決められています。下の2つも同じです。)
授乳中の人
(解説)この記載がある場合は、乳汁中に移行することが知られている成分が薬に含まれていることを示しています。 乳児の安全を考え、服用する場合には授乳を避けたり、服用してから授乳するまでの時間をあけるなどの考慮が必要になります。
高齢者
(解説)薬の代謝や排泄の機能が低下していることが多い高齢者は、薬の作用が強くあらわれることが考えられるための記載です。
本人または家族がアレルギー体質の人、薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人
(解説)アレルギーを起こす恐れのある成分が含まれている場合に記載されます。本人や家族がアレルギー体質の人や、薬によりアレルギーを起こした経験のある人は注意が必要です。
次の症状のある人(高熱、排尿困難)
(解説)あまりにも熱が高い場合、風邪以外の原因である可能性もあり、医師への受診をお勧めする、ということ。また、鼻炎薬によって排尿困難の症状を悪化させる可能性があるための記載です。
次の診断を受けた人(甲状腺機能障害、糖尿病、心臓病、高血圧、肝臓病、腎臓病、緑内障、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病)
(解説)含有成分の影響でこれらの病気の症状が悪化したり、受診疾患の薬との重複や飲み合わせの心配から相談事項にあげられています。成分ごとに注意する病気がありますので、薬によって上の病名は変わってきます。
(例)
塩酸メチルエフェドリン(咳止め)
甲状腺機能障害、糖尿病、心臓病、高血圧
マレイン酸クロルフェニラミン(鼻炎、アレルギー)
緑内症
イブプロフェン(解熱鎮痛薬)
肝臓病、腎臓病、全身性エリテマトーデス
次の病気にかかったことのある人(胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン氏病)
(解説)解熱鎮痛成分は、胃粘膜を守る機能を低下させてしまいます。また、消化管への直接的な刺激も考えられ、これらの疾病にかかったことのある方には再度同じように消化管障害が起こりやすいと考えられているための記載です。
次の場合は、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師または薬剤師に相談すること
服用後、次の症状があらわれた場合(発疹・発赤・・・
(解説)まず、添付文書を分かりやすい場所に保管しておくことが必要になります。そして、考えられる副作用を示し、その他にも、まれにではありますが重篤な症状が起こることがあるための注意と、その場合は直ちに医師の診療を受けることを指示しています。
5〜6回服用しても症状がよくならない場合(特に熱が3日以上続いたり、また、熱が反復したりするとき)
(解説)風邪以外の病気による可能性を考えての記載です。症状が長引く場合にはやはり医師や薬剤師に相談してみることをお勧めします。
他にも、リン酸ジヒドロコデイン(咳止め)による便秘や、イブプロフェン(解熱鎮痛薬)による下痢、抗ヒスタミン剤による口の渇きなど、多くの気になる症状が出た場合は薬による可能性が非常に高いと言えますので、相談してみることをお勧めします。
あとは、「保管及び取り扱い上の注意」 に従って保管などを行ってください。
この部分をおろそかにすると、子供がお菓子と間違えて食べてしまったり、使用期限の切れた薬を服用してしまう可能性がありますので、適切に処理し、添付文書と一緒に保管してください。
添付文書を読んでも薬が良く効くようにはなりません。しかし、副作用情報などが書かれた重要な書類であることは分かっていただけたかと思います。